レーザー治療
レーザー治療
レーザー治療は大まかに網膜光凝固治療・緑内障治療・YAGレーザー後嚢切開に分けられます。
網膜光凝固治療について
レーザー光線を網膜にあてて網膜を熱凝固させる治療法です。糖尿病性網膜症・網膜静脈閉塞症・網膜裂孔・網膜剥離などの眼底の病気に対しておこなわれます。病的な網膜を凝固させることにより、病気の進行を抑える目的で行われますが、視力が回復するわけではありません。
糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症では、網膜毛細血管が閉塞してしまい(虚血といいます)、虚血に陥った網膜細胞から炎症性サイトカインという物質が放出され、さらに病状が悪化します。虚血部位の網膜をレーザー凝固することで炎症性サイトカインの放出を減らし病状悪化を食い止める治療です。
網膜裂孔や網膜剥離では網膜の接着力が弱まり、病状が悪化します。裂孔や剥離外側の網膜をレーザー凝固すると網膜の接着力が高まり、病状悪化を食い止めることが可能です。
緑内障治療について
緑内障では眼球内を循環する房水量が増加し、眼圧が上昇することで悪化していきます。個々人によって適正な房水量は異なりますが、緑内障治療では房水の量をコントロールすることが大変重要です。レーザー治療により、線維柱帯での房水吸収を改善したり、虹彩を切開することで房水の流れを改善します。
YAGレーザー後嚢切開について
後発白内障は、白内障手術を受けて数ヶ月~数年後に、水晶体カプセルの後面が混濁して視力低下を引き起こす病気です。YAGレーザー後嚢切開術は、レーザー光線を用いて混濁したカプセルだけを切開する手術であり、日帰りで行うことができます。術前に点眼や散瞳などの時間が必要ですが、治療時間そのものは5分程度です。
(図)後発白内障:眼内レンズの後方カプセルが混濁しています。