ドライアイ
ドライアイ
ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)は、涙の量が減少したり、涙の質が低下することで目の表面が乾燥し、さまざまな不快な症状を引き起こす疾患です。
目の乾燥感
目のごろつき感
目の充血
目の疲れ
流涙
光がまぶしく感じる
視力低下
加齢:年齢とともに涙の分泌量が減少します。
生活環境:長時間のコンピュータ作業やスマートフォンの使用、エアコンの効いた環境などが影響します。
薬の副作用:抗ヒスタミン薬や抗うつ薬・抗がん剤など、一部の薬が涙の分泌を減少させることがあります。
膠原病:シェーグレン症候群などの自己免疫疾患が原因となることがあります。
コンタクトレンズの使用:コンタクトレンズが涙の蒸発を促進し、ドライアイを悪化させることがあります。
涙液メニスカス測定:角膜と下まぶたの間に貯留する涙液の高さを涙液メニスカスと呼び、一般的に0.2〜0.4 mmとされています。
涙液層破壊時間測定:フルオレセイン液で涙液を染色し、目を開けてから角膜を覆う涙(涙液層)が乾くまでの時間や涙液層破綻パターンを観察します。
シルマー試験:下まぶたにろ紙を差し込み、5分間でどれだけろ紙が濡れる量を見て涙液分泌量を測定します。
角膜フルオレセイン染色:ドライアイによって角膜障害が起きているか確認します。
マイボーム腺の観察:まぶたの縁に位置するマイボーム腺は涙の油層を分泌しています。この油層は涙の蒸発を防ぎ、涙液層を安定させています。マイボーム腺が詰まる(マイボーム腺機能不全)と、油層形成が悪化して涙の蒸発が促進されます。
点眼薬:毎日、定時的に点眼薬を使用します。点眼液の種類としては人工涙液・ヒアルロン酸ナトリウム点眼・ジクアホソルナトリウム点眼・レバミピドを主に使用します。症状や結膜の状態によってはフルメトロンなどのステロイド点眼を用いることもあります。
涙点プラグ:点眼治療をしても角膜上皮障害が改善しない場合、涙点にプラグを挿入し、涙液が鼻腔へ通じる入り口を閉鎖させて結膜嚢や角膜に貯留する涙液を増加させます。
コンピュータ作業やスマートフォンの長時間の連続使用を避け、定期的に目を休めることが重要です。これらの作業を集中して継続しているとまばたきが少なくなります。意識的にまばたきを多くすることも有効です。
エアコンや暖房の風が顔に当たらないように、送風の向きを調整したり自分の居場所を変えましょう。加湿器を使用して室内に適切な湿度を保つことも有効です。
自転車に乗ったりエアコンの風で症状が悪化する場合は風防ゴーグルを装用します。
まぶたと鼻梁の間(目の内側)を指で押さえ、目を閉じてまぶたをぴくぴくと動かすことで一時的に涙液を増加させることができます。
温水で湿らせた温かいタオルを1日2回、5分ほどまぶたの上から当てることでマイボーム腺分泌を促進して涙を安定させる効果がありますが、熱すぎたり、長時間当てすぎると逆に涙を蒸発させたり、白内障を悪化させてしまいます。